何でも質問箱
2024年08月05日号
審査部審査番号号
バッテリーパスポートとは?
- バッテリーのライフサイクル全体を文書化したものを指します。
バッテリーに使用する材料の調達から使用後のリサイクルまで、ライフサイクル全てに関わる情報を記録するもので、ライフサイクルの各段階の情報を透明化し、これまでの流通経路を追跡することが可能になります。記録される内容は、材料の原産地、再資源化が可能な材料の割合、製造過程での二酸化炭素(CO₂)排出量、バッテリーの製造プロセスでのカーボンフットプリントの情報、使用後の回収方法など様々です。様々なデータを一元的に管理し、サプライチェーン全体での情報共有が可能です。これらの情報はQRコードで製品にラベル付けすることが義務付けられており、利用者はバッテリーパスポートを見ることで、そのバッテリーの情報や扱い方がわかるものとなっています。
欧州連合(EU)が2023年6月、バッテリーパスポートの導入などを盛り込んだ規制案を採択しました。24年から順次導入し、26年にも欧州域内で義務化される見通しです。パスポートの情報は消費者や非政府組織(NGO)がチェックできます。環境対応のほかサプライチェーン上の人権や労働環境といった問題を解決するのにも役立つと期待されています。